豊郷小学校旧校舎群

2025年10月02日

豊郷小学校

今回の写真の、いわゆる「けいおん!」の聖地としても知られる豊郷小学校旧校舎群は、1937年に建てられた鉄筋コンクリート造の校舎で、設計はヴォーリズです。

 

白い外壁と左右対称の構えが印象的で、当時は「東洋一の小学校」とも呼ばれていました。

現在は登録有形文化財となっていて、自由に見学することができます。

建物の中には、ヴォーリズらしい細やかな配慮がいくつも見られます。

 

たとえば階段の手すりには、イソップ童話の「ウサギとカメ」の像が飾られていて、1階から3階へと物語が続くようにつくられています。

階段を上るたびに、自然とそのストーリーに触れられるような仕掛けです。

窓の開き方にも工夫があり、廊下側に開く部分と外側に開く部分が分けられていたり、扉の位置がわかりやすいように床に黄色いラインが引かれていたりと、子どもたちが安全に使えるよう配慮されています。

また、当時としては珍しくセントラルヒーティングが採用されていて、階段下にはお弁当を温めるためのスペースも設けられていました。

 

この校舎は、2000年代に一度、解体の話が持ち上がったことがあります。

老朽化や耐震性の問題から町議会で解体案が可決されましたが、卒業生や地域の方々による保存運動が広がり、最終的にはリコールや裁判を経て保存されることになりました。

その後、改修工事が行われ、現在のかたちで公開されています。

 

昨年久しぶりに訪れたときは、「けいおん!」の雰囲気は少し落ち着いていて、以前ほど強い“聖地感”は感じませんでした。

それでも当日は、ファンらしき方たちの姿も見かけました。作品がきっかけの人も、建築に惹かれて訪れる人も、それぞれの視点でゆっくり過ごしている様子が印象に残っています。

同じ場所にいながら、違う楽しみ方ができるのも、この建物の魅力のひとつかもしれません。

 

なお、ここで書いた内容は、以前の訪問時の記憶やパンフレット、インターネットで見かけた情報などをもとにしており、事実と異なる部分がある可能性があります。

正確な情報については、各資料や関係機関の公式発表をご参照ください。