四たびハイド記念館へ
2025年10月16日
ここでヴォーリズ建築について書いているうちに、
「実際に見てみたい」という気持ちがどんどん大きくなり、ついに近江八幡まで足を運んできました。
まず向かったのは、開館と同時のハイド記念館。
現地では係の方にお話を伺うことができ、この建物に込められた考え方や、細かな工夫についていくつか教えていただきました。
今回はその内容を、備忘録も兼ねてまとめていきます。
なお、ここに書く内容は当日の説明をもとに、自分の記憶をたどって整理したものです。
できるだけ正確に書くよう心がけていますが、解釈や記憶の違いにより、事実と異なる部分が含まれる可能性もあります。
正確な情報については、現地の案内や公式資料等もあわせてご確認ください。
※ハイド記念館はこちらでも紹介しています
ヴォーリズのトランク
側面には、William Merrell Voriesの名が記されています✨
このトランクは、以前このブログでも一度取り上げたことがあります。
このトランクには実は八幡違いで北九州市の八幡地区に運ばれてしまった、というエピソードがあります。
今回あらためてこの話を伺い、以前にも同じ内容を説明していただいたことを思い出しました。
うろ覚えだった話と、現地での説明がつながったことで、このトランクが少し身近に感じられた気がします。
ロッカー
ハイド記念館に入ってすぐの場所に置かれているロッカーです。
子どもが自分でカバンや帽子を掛けられるよう、両側には手の届く高さにフックが設けられています。
さらに足元にはトレーが置かれていて、汚れたときには自分で拭いたり整えたりできるようになっています。
大人が手をかけて整えるのではなく、子ども自身が使い、そして片付ける。そんな日常の動作まで自然に促すように、
細かなところまで考えられているのが印象的でした。
お昼寝部屋とお遊び部屋
手前の部屋では上級生が遊び、
奥の部屋では下級生がお昼寝をする――
そんな使い分けがされていたそうです。
2つの部屋はドアでつながっていて、行き来ができるだけでなく、同時に見守れる配置になっています。
一方で、お昼寝の時間がしっかり守られるように、間の壁はやや厚くつくられているとのこと。にぎやかさと静けさが無理なく共存できるよう、空間のつながり方まで丁寧に考えられているのが印象的でした。
また、写真は別の部屋で撮影したものですが、お昼寝用のベッドも同様に籐製のものが使われていたそうです。
講堂兼体育館
講堂兼体育館として使われている空間です。
当時は、この戸を開けて使うことができたそうです。
日本の家屋では、人が集まるときに引き戸を開け放ち、空間を一体として広く使う工夫がありますが、そうした発想がこの講堂にも取り入れられているとのこと。
用途に応じて空間の広さを変えられる、柔軟な使い方ができるつくりになっています。
そして、音へのこだわりでも知られるWilliam Merrell Vories。
この講堂も、実際に立ってみると思っていた以上に音がきれいに響く空間でした。
教会や学校など、音を大切にしたヴォーリズ建築では、もし機会があれば、そっと手をたたいて
響き方を確かめてみるのも面白いかもしれません。
映写室
映写室の扉と室内は、ブリキでつくられています。
映写機は使用時にかなりの熱を帯びるため、防火性を考えてこの素材が使われているそうです。
普段あまり意識しない部分ですが、こうした裏側の設備にもきちんと理由があり、安全面への配慮が感じられました。
