旧駒井家住宅
2025年12月20日
今回は、旧駒井家住宅のご紹介です。
観光地から少し離れた場所にありますが、以前に2度ほど訪れたことがあります。
(写真は約10年前に撮影したものです)
バスを降りてから住宅までの道のりが印象に残っていて、細かい景色は思い出せないものの、落ち着いた雰囲気の中を歩いた記憶があります。案内してくださった方の穏やかな説明も、この建物の印象と重なっています。
旧駒井家住宅は、1927年(昭和2年)に遺伝学者・駒井卓の自邸として、ヴォーリズ建築事務所が設計した住宅です。
白川疏水沿いの住宅地に建ち、京都市指定有形文化財にもなっています。
外観はスパニッシュ様式をベースにしながら、赤い和瓦を用いるなど、周囲の景観に合わせたつくりになっています。
切妻屋根の赤い瓦が印象的で、落ち着いた住宅地の雰囲気によくなじんでいます。
内部も印象に残っている部分の多い建物です。玄関から居間に入ると、明るさと広がりを感じる空間になっていました。
ヴォーリズ建築らしく、日常の使いやすさを考えた工夫が随所に見られます。
ベンチのように腰掛けて使える出窓や収納の多さなど、実際の暮らしを想像しながら見ることができる住宅です。
案内の中で印象に残っているのが、窓まわりのつくりについての説明です。雨がたまりにくいように工夫されているとのことで、こうした細かい配慮は、後に見た他のヴォーリズ建築にも共通している部分でした。
階段も特徴的で、段差が低く抑えられており、着物での昇り降りにも配慮されたつくりと説明を受けました。こうした動きを前提にした設計からも、この住宅が実際の暮らしを強く意識してつくられていることが伝わってきます。
また、天井から引き下ろして使う屋根裏収納もあり、普段は見えない部分にも生活のための工夫が取り入れられています。細かく見ていくほど発見のある住宅です。
階段室のステンドグラスやドアノブ、当時使われていた家具なども残されており、住まいとして使われていた頃の様子を感じることができます。
なお、ここで紹介している内容は、訪問時の記憶と公開されている資料をもとにまとめたものです。
写真も約10年前のもののため、現在とは細部が異なる場合があります。
