旧駒井家住宅

2025年12月20日

旧駒井家住宅

今回は、京都・北白川にある旧駒井家住宅をご紹介します。

観光地から少し離れた場所にありますが、以前に2度ほど訪れたことがあります。
(写真は約10年前に撮影したものです)

 

旧駒井家住宅は、1927年(昭和2年)、京都帝国大学の教授で遺伝学者だった駒井卓さんの自邸として、ヴォーリズ建築事務所の設計で建てられました。

赤い瓦屋根とクリーム色の外壁をもつ、スパニッシュ様式を基調とした木造2階建ての住宅です。

 

玄関扉のまわりにはアーチを描く開口部があり、階段ホールには大きなアーチ型の高窓。

居間には上げ下げ窓が並び、その下には腰掛けられるウィンドウ・シートが造り付けられています。

南側には、アーチ型の窓が連なるサンルームがあります。

 

1階には居間や食堂、サンルームのほか、6畳の和室があります。

この和室は、普段から着物で過ごしていた静江さんの希望で設けられたとされています。

外から見ると洋館の窓ですが、室内側には障子が入り、床の間も設けられています。

洋風の外観を崩さず、その内側に和室が収められているつくりです。

台所にも静江さんに合わせた工夫があり、調理台は小柄だった静江さんの身長に合わせて低めにつくられています。

 

1階から2階へ続く階段は、緩やかに曲線を描いています。

蹴上げは約170mm。着物でも上り下りしやすいよう、ゆったりとした階段になっています。

階段ホールには高さ約3mのアーチ型の高窓があり、手すりの曲線とともに、この住宅の特徴的な空間のひとつになっています。

2階には寝室や書斎などがあり、南側にはもうひとつサンルームがあります。

現在は窓に囲まれていますが、竣工当初は建具のないオープンデッキで、数年後にガラス窓が入れられサンルームとなりました。

2階の書斎には、卓さんが使用していた机や造り付けの書棚が残り、専門書や著書なども収められています。

さらに2階の廊下には、天井裏へ上がるための階段が隠されています。

ハンドルを操作すると天井から階段が降りてくる仕組みで、その先の屋根裏は収納として利用されていました。

寝室のクローゼットや階段脇の物置なども設けられており、見える部分だけでなく、空いた場所も収納として使われています。

 

※建物に関する情報は、京都市等の公開資料をもとに確認していますが、資料による表現の違いや、その後の調査等により内容が変更されている場合があります。また、掲載写真は撮影当時のもので、現在の建物・展示・公開状況とは異なる場合があります。見学の際は最新の公式情報をご確認ください。