旧ナショナルシティバンク神戸支店

2026年03月09日

神戸居留地

今回は、神戸・旧居留地にある旧ナショナルシティバンク神戸支店をご紹介します。

 

現在は「旧居留地38番館」と呼ばれ、大丸神戸店の周辺店舗として使われています。

建てられたのは1929年(昭和4年)。

ナショナル・シティ・バンクの神戸支店として、ヴォーリズ建築事務所の設計で建てられました。

鉄骨鉄筋コンクリート造3階建て、アメリカン・ルネッサンス様式の建物です。

南側の正面に並ぶのは、4本の大きなイオニア式円柱。

イオニア式は古代ギリシャ建築に由来する柱の形式で、柱頭にある渦巻き形の装飾が特徴です。

その両側には、目地を強調した石積みの壁。

正面だけでなく、東側の壁面にも壁柱が連続しています。

柱そのものを装飾するだけではなく、大きな柱と石積みの壁、規則的に並ぶ開口部によって建物全体の外観がつくられています。

ヴォーリズ建築の住宅や教会とは、かなり異なる姿です。

 

現在の名前になっている「38番」は、外国人居留地時代の区画番号に由来します。

神戸外国人居留地では、土地が区画され、それぞれに番号が付けられていました。

そして38番地には、現在の建物ができるより前に「居留地会議」のオフィスがありました。

当時の外国人居留地では、居留地会議という組織が道路や下水、街灯などを整備・管理し、警察隊も組織していました。

1899年(明治32年)、外国人居留地は日本へ返還されます。

神戸旧居留地の公式サイトには、返還の日の朝に撮影された38番地の「居留地会議」のオフィスの写真も残されています。

現在立っている旧ナショナルシティバンク神戸支店が建てられるのは、その30年後です。

 

1929年に銀行として建てられた建物は、その後も用途を変えながら残りました。

現在の旧居留地38番館につながる大きな転機となったのが1987年です。

この年、旧居留地38番館が店舗としてオープンしました。

大丸神戸店による旧居留地での周辺店舗展開は、この38番館から始まっています。

その後、旧居留地には大丸の周辺店舗が広がり、歴史ある建物を残しながら店舗として利用する現在の街並みへとつながっていきました。

 

※建物に関する情報は、神戸旧居留地公式サイト、神戸市、大丸松坂屋百貨店等の公開資料をもとに確認していますが、資料による表記の違いや、その後の調査等により内容が変更されている場合があります。また、掲載写真は撮影当時のもので、現在の建物・店舗・公開状況とは異なる場合があります。訪問の際は最新の公式情報をご確認ください。