ダッドレーメモリアルチャペル
2026年03月21日
ダッドレーメモリアルチャペルは、関西学院大学西宮聖和キャンパスに残るヴォーリズ建築のひとつで、1932年に神戸女子神学校の校舎として建てられ、翌1933年に献堂されています。
設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズ、施工は竹中工務店。キャンパス内でも初期に建てられた建物のひとつです。
1992年には西宮市の都市景観形成建築物にも指定されています。
今回掲載しているのは、約10年前に撮影した内部写真です。
外観を見ずに室内だけに目を向けても、この建物が礼拝のために計画された空間であることははっきりと伝わってきます。
内部でまず印象に残るのは、装飾に頼らず、空間全体のまとまりで見せている点です。
天井は抑えめの高さで、ベンチが整然と並び、アーチ状の開口部と木部、白い壁の組み合わせによって構成されています。
派手さはありませんが、落ち着いて過ごせる空間になっています。
関西学院大学の案内写真でも、アーチ窓や木の天井、礼拝空間の構成を確認することができます。
いわゆるヴォーリズらしさでいえば、「居心地の良さ」を優先した設計にあると感じます。
宗教建築でありながら過度な威圧感はなく、かといって簡素に寄りすぎない。そのバランスがこの建物の特徴です。
光の入り方や窓の配置、木部の表情によって空間の性格が整えられている点は、礼拝という用途にもよく合っています。
神戸女子神学校の校舎として建てられ、その後も礼拝や教育の場として使われてきた来歴とも無理なく重なります。
施工を竹中工務店が担っている点も、この建物を見るうえで押さえておきたいところです。
ヴォーリズ建築は図面だけでなく、実際に建ち上がったときの納まりや全体のバランスに特徴がありますが、そうした部分は施工の影響も受けます。
ダッドレーメモリアルチャペルのように装飾を抑えた空間では、細部の仕上がりがそのまま印象に表れます。
全体として落ち着いた統一感が保たれている点からも、設計と施工の関係がうまく機能している建物といえます。
