旧門司税関
2026年05月14日
今回は、門司港レトロ地区を代表する赤レンガ建築の一つ、「旧門司税関」です。
旧門司税関は、明治45年(1912年)に建設された建物で、設計は建築家・妻木頼黄によるものとされています。
妻木頼黄は辰野金吾、片山東熊と並び、「明治建築界の三大巨匠」の一人ともいわれています。
建物はルネサンス様式を基調としており、赤レンガと御影石を組み合わせた外観が特徴です。
壁面のレンガにはイギリス積みが用いられており、重厚感のある外観をつくっています。
建築当初は、レンガ造・瓦葺・2階建ての税関庁舎として使用されていました。
しかし、1945年の門司空襲によって屋根を焼失し、戦後は窓をモルタルで塞いだうえで倉庫として転用されていたそうです。
その過程で内部も大きく改変され、建築当初の面影がほとんど失われた状態になっていたとされています。
その後、門司港地区の再整備の中で建物保存の動きが進み、北九州市によって復元工事が行われました。
妻木頼黄が手がけた建築の中でも現存例は限られており、明治期の赤レンガ建築としても高く評価されていたことから、保存・復元が進められたそうです。
復元では赤レンガも特注され、過去の写真などをもとに建築当初の姿が再現されたそうです。
工事は平成3年から約4年をかけて行われ、1995年3月、門司港レトロのグランドオープンとともに公開されました。
現在の内部には鉄骨による独立した架構が設置されており、保存と活用の両立が図られています。
1階には吹き抜けのエントランスホールがあり、開放感のある空間になっています。
現在見られる建物は復元を経たものでもあるため、厳密には当時の姿そのままの近代建築とは少し性格が異なる部分もあるのかもしれません。
それでも、門司港レトロ地区の景観を代表する建物の一つであり、赤レンガ建築の雰囲気を感じられる存在になっています。
また、2007年には近代化産業遺産にも認定されています。
掲載している写真は2018年に撮影したものです。
現在とは外観や周辺環境、建物の細部などが異なっている可能性があります。
なお、本記事は公開されている情報や手元の写真をもとにまとめています。
内容に誤りが含まれる可能性がありますので、正確な情報については各種資料や公式発表をご確認ください。
