旧マッケンジー邸(内部編)
2026年06月05日
今回は、旧マッケンジー邸(内部編)です。
掲載している写真は2022年に撮影したものです。
2026年には長期修繕を終え、「HOMAM(ホマム)旧マッケンジー邸」としてグランドオープンしています。
そのため、今回の写真は修繕前の内部の様子です。
旧マッケンジー邸の内部を見ていると、単に美しい洋館というだけではなく、住む人の暮らしを大切に考えて設計された住宅だったことが伝わってきます。
2階の裏階段近くには2間続きの女中部屋が設けられています。
和室でありながら全館スチーム暖房の対象となっていたそうです。
また、この裏階段は1階の台所へ直接つながっており、マッケンジー夫妻の生活空間を通らずに作業ができるよう計画されていました。
邸内の壁は約8寸(約24センチ)の厚さがあり、しっかりとした造りになっています。
内部には緩やかな曲線を描くアーチが随所に用いられており、窓からの光を取り込みやすくする工夫も見られるそうです。
食堂には、特に印象的な意匠があります。
壁の両側には上部が三角形になった作り付けの飾り棚が設けられており、マッケンジー夫妻が愛した富士山のシルエットをモチーフにしたものといわれています。
また、建物最上部には小さな塔屋(望楼)があります。
天体観測が趣味だったマッケンジー氏のためにつくられた空間とされ、四方に窓が設けられているそうです。
旧マッケンジー邸は、建物の配置そのものが富士山への視線を意識して計画されていたことが調査で確認されているそうです。
富士山を望める海辺に建てられた住宅であることに加え、室内には富士山をモチーフにした意匠も残されています。
富士山を愛した夫妻のための工夫と、天体観測を楽しむための望楼。
女中部屋の設備や効率的な動線計画も含めて、この邸宅には住む人それぞれへの配慮が随所に見られます。
個人的には、こうしたさりげない気遣いにヴォーリズ住宅らしさを感じました。
設備面にも目を引かれるものがありました。
アメリカ製の調理器具や大型冷蔵庫、壁に備え付けられたコーヒーミルのほか、水洗トイレなども備えられていたそうです。
1940年当時としてはかなり先進的な住宅だったことがうかがえます。
また、付属の車庫には1947年製のキャデラック(セダンシリーズ62)も保管展示されています。
車に詳しいわけではありませんが、個人的には少しワクワクした展示でした。
外観の美しさが注目されることの多い旧マッケンジー邸ですが、内部を見ていくと住まいとしての工夫や当時の暮らしぶりも見えてきます。
華やかな装飾よりも、住む人への配慮や気遣いが印象に残る住宅でした。
掲載している写真は2022年に撮影したものです。
現在とは建物の細部や展示内容が異なっている可能性があります。
なお、本記事は公開されている情報や手元の写真をもとにまとめています。
内容に誤りや解釈を含む可能性がありますので、正確な情報については各種資料や公式発表をご確認ください。
