中村家住宅(旧足立家住宅)
2026年06月08日
今回は、奈良市高畑町にある中村家住宅(旧足立家住宅)です。
中村家住宅は、1919年に洋画家・足立源一郎が自ら設計したアトリエ兼住宅として建てられました。
その後、1928年に洋画家・中村義男が取得し、中村家の住宅となりました。
建物は南仏プロヴァンス風の洋館で、赤桟瓦の屋根とモルタル仕上げの外壁が特徴です。
内部には吹き抜けのアトリエが設けられ、ステンドグラスも残されているそうす。
2000年には母屋と塀が国の登録有形文化財に登録されました。
同時に登録された志賀直哉旧居の主屋、表門、塀とともに、高畑の歴史的景観を伝える建造物として評価されています。
特に印象的なのが建物を囲む塀です。
屋敷地の北側と東側を区切る全長約70メートルの土塀で、北側中央に門が設けられています。
腰部分は乱石積み、その上はモルタル仕上げとなっており、屋根には主屋と同じ赤桟瓦が葺かれています。
登録文化財の解説では、春日大社旧社家町の景観の中で、この洋風の土塀が周囲によくなじみ、高畑の文化的な雰囲気を今に伝えていることが評価されています。
また、この住宅は志賀直哉旧居とも深い関わりがあります。
中村義男と志賀直哉は親交があり、両家の塀には勝手口が設けられていました。
日常的に行き来していたとされ、当時の交流の様子をうかがうことができます。
現在、庭園では「ガーデンカフェ たかばたけ茶論」が営業しています。
これは中村義男の長男で、同じく洋画家だった中村一雄夫妻が、高畑サロンのように現代でも人々が集える場所になればという思いを込めて開放したティーガーデンだそうです。
訪れた日は残念ながら定休日でしたが、建物の外観や庭園の雰囲気だけでも十分楽しむことができました。
掲載している写真は2026年5月に撮影したものです。
現在とは建物の細部や営業状況、周辺環境が異なっている可能性があります。
なお、本記事は公開されている情報や手元の写真をもとにまとめています。
内容に誤りや解釈を含む可能性がありますので、正確な情報については各種資料や公式発表をご確認ください。
