志賀直哉旧居(外観編)
2026年06月09日
今回は、奈良市高畑町にある志賀直哉旧居(外観編)です。
志賀直哉旧居は、作家・志賀直哉が自ら構想し、1929年に建てられた住宅です。
志賀直哉はこの家で約9年間を家族とともに過ごしました。
建物は木造平屋建てを基本とし、一部2階建てとなっています。
主屋は北棟・西棟・南棟・東棟の4棟がコの字型に配置されており、施工は京都の数寄屋大工棟梁・下島松之助が手がけました。
外観は数寄屋風の和風建築を基調としながらも、洋風の要素を取り入れた独特の造りになっています。
その特徴的な構成から、「三次元の芸術」と評されることもあるそうです。
茶室や門には自然木の風合いを生かした材料が用いられ、数寄屋建築らしい繊細な意匠を見ることができます。
一方で大きな開口部や洋風のデザインも取り入れられており、和と洋が無理なく共存している点が印象的です。
中でも目を引くのが南棟に設けられたサンルームです。
大きな窓を持つ南仏風のデザインで、志賀直哉旧居を代表する空間の一つとなっています。
和風建築を基調としながらも、こうした洋風の要素が自然に取り入れられているところに、この建物の個性を感じます。
2000年に国の登録有形文化財となり、2016年には奈良県指定有形文化財(建造物)に指定されました。
さらに2026年には庭園が奈良県指定文化財(名勝)に指定されています。
この建物は一時解体の危機に直面しましたが、その価値が再評価され、2009年には建築当初の姿への復元工事が行われました。
現在は学校法人奈良学園によって保存・活用されています。
また、高畑町には志賀直哉をはじめ、画家や文化人が集まり交流した「高畑サロン」と呼ばれる文化的なつながりがありました。
この住宅も、そうした時代の空気を今に伝える建物の一つです。
掲載している写真は2026年5月に撮影したものです。
現在とは建物の細部や周辺環境が異なっている可能性があります。
なお、本記事は公開されている情報や手元の写真をもとにまとめています。
内容に誤りや解釈を含む可能性がありますので、正確な情報については各種資料や公式発表をご確認ください。
